買ってから後悔しない、不動産投資の節税術 | 賢者が語る!不動産投資の極意

賢者が語る!不動産投資の極意


税理士にして、AFP、宅地建物取引主任者、マンション管理業務主任者の資格をもち、さらに不動産投資を実践しているプロの中のプロが、投資効率の高い不動産投資のポイントを語ります。

サラリーマン時代に実感した、
「不動産投資は低所得者ほど有利」という事実

サラリーマン時代に実感した、
「不動産投資は低所得者ほど有利」という事実

不動産投資が「低所得者ほど有利」と聞くと、「えっ?」と思う方も多いのではないでしょうか。それは昔から不動産は資産家や高所得者層が投資するものというイメージがあるからかもしれません。しかし近年は普通のサラリーマンが銀行から融資を受けて不動産投資をするケースが出てきています。
実は私も平成18年のサラリーマン時代に、1億円の不動産をフルローンで購入しました。しかも当時の年収はたった400万円。担保となる資産も、所得も少ない私が1億円の融資を受けて、1億円の不動産を購入できるとは、それまでの私にとっては想像もしていないことでした。
そして年収400万円で不動産を取得した私が、税理士として感じたこと。
それは「税金に限っては、不動産投資は低所得者ほど有利」ということでした。

では、そのカラクリをわかりやすく説明しましょう。
まず、個人の所得税の計算は原則として次のように計算されます。

  • (所得-所得控除)×税率=所得税

まず「所得」ですが、サラリーマンが不動産を購入した場合は、サラリーマンとしての給料である「給与所得」と、不動産を購入したことによる「不動産所得」が合算されます。

  • 所得=給与所得+不動産所得

次に「所得控除」とは、社会保険や配偶者控除、扶養控除等の合計です。サラリーマンが年末に会社に提出する生命保険の控除証明書もここに入ります。
そして最後にかける「税率」。ここがポイントになります。
個人にかかる税金である所得税は、「超過累進税率」といって所得が増えると税率も高くなっていくという仕組みになっています。ということは、所得の高い人ほど高い税率が適用され、不動産で得た所得に対する税金も高くなってしまうのです。
しかし所得の低い人は税率が低いので、不動産で得た所得に対する税金も少なくて済む訳です。したがって同じ条件の不動産を所有している場合、税引後に残るお金は、低所得者の方が多く残るのです。
それでは次にその証拠を、具体例を出して見てみましょう。



「思っていたほどお金が残らない」と
焦る投資家が多い、本当の理由

「思っていたほどお金が残らない」と
焦る投資家が多い、本当の理由


不動産を購入しよう、あるいは不動産を所有している人のうち、税引前のキャッシュフローのシミュレーションはしていても、税引後のキャッシュフローのシミュレーションまでしている人はどれぐらいいるでしょう?
不動産投資は、「投資」ですから、その不動産によっていくらお金が残るのかを計算することは非常に大切です。
そして税金まで考えると、「思っていたほどお金が残らない」ということに気が付くはずです。それは先ほどの「超過累進税率」が関係してきます。ここで所得税と住民税を合わせた税率を見てみましょう。

【所得税・住民税を合算した税率】
所得税・住民税を合算した税率

「課税所得金額」というのは、〈所得-所得控除〉で計算される金額ですので、年収500万円の人が単純に30%の税率が適用されるわけではありません。
例えば給料だけをもらっている人で、課税所得330万円、税率20%の人が、所得300万円を生み出す不動産を所有した時の、不動産所得に対する税金は次のようになります。

  • 300万円×30%=90万円(所得税・住民税)

330万円に不動産所得300万円がプラスされますので、不動産所得に対する税率は一段高くなって30%になります。税金を考えずに予想していたシミュレーションよりも、90万円もお金が残らなくなるのです。
それでは、もしこれが給料だけをもらっている人で、課税所得1,800万円超、最高税率50%の人だとどうなるのでしょうか?

  • 300万円×50%=150万円(所得税・住民税)

なんと不動産所得の半分のお金が税金として出ていくのです。これが「低所得者層」が有利な理由です。
しかし、思っていたほどお金が残らない理由の原因はこれだけではないのです。
それは税金の計算で出てくる「所得」と実際のお金の残る金額が違うためです。
税金の計算で出てくる「所得」は次のように計算されます。

  • 所得=収入-(減価償却費+利息+その他の経費)

次に実際に残る税引前のお金は次のように計算されます。

  • 実際に残る税引前のお金=収入-(返済元金+利息+その他の経費)

違いは「減価償却費」と「返済元金」の部分です。そしてこの「減価償却費」こそ、私が「魔法の経費」と呼んでいるものなのです。

お金を残す秘訣が、「魔法の経費」にあった!

お金を残す秘訣が、「魔法の経費」にあった!

「所得」と「実際に残る税引前のお金」との違いは「減価償却費」と「返済元金」ということが分かりました。
それでは、この違いがどのような違いになるのか具体的に説明しましょう。

  • 【具体例】
  • 収入1,000万円
  • 減価償却費200万円
  • 元金返済300万円
  • 利息150万円
  • その他の経費350万円

この場合の所得は

  • 収入1,000万円-(減価償却費200万円+利息150万円+その他の経費350万円)=所得300万円

となります。次に実際に残る税引前のお金は、

  • 収入1,000万円-(返済元金300万円+利息150万円+その他の経費350万円) = 実際に残る税引前のお金200万円

所得、いわゆる不動産の利益は300万円あるのですが、実際のお金は200万円しか残っていません。しかもこれは税引前なのです。これがもし借入の返済期間が短くなると、元金の返済が大きくなりますので、実際に残るお金はさらに少なくなります。
しかし、「所得」の計算で出てくる「減価償却費」を多くすることができれば、所得は少なくでき、不動産所得に対する税金も少なくすることができるのです。



同じ投資額でも雲泥の差。
知らない人だけが泣きをみている税金の話

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「魔法の経費」と私が呼んでいる「減価償却費」。それではこの「減価償却費」を大きくすることはできるのでしょうか?
それではまず「減価償却費」とは何なのかをご説明します。
減価償却費とは簡単に言うと、「モノの劣化費」です。不動産でいうと建物や付属設備は、年とともに劣化していきます。最初に5,000万円で購入した建物は、1年後には劣化して4,900万円になっているかもしれません。この差額の100万円が減価償却費ということです。逆に土地の場合は通常劣化することはありませんので、減価償却費は計上することができません。
そしてこの減価償却費の計算方法はしっかりと税法で決められています。

  • 減価償却費 = 取得価額 × 耐用年数に対する償却率

この計算式の中にポイントが隠されています。
まず「取得価額」。
この「取得価額」が大きいほど、減価償却の金額は大きくなります。例えば同じ償却率0.022で建物の取得価額が5,000万円の場合と7,000万円の場合を比べてみると、

  • 取得価額5,000万円 × 償却率0.022 = 110万円
  • 取得価額7,000万円 × 償却率0.022 = 154万円

同じ1億円の不動産を購入しても、建物が5,000万円と7,000万円では、1年当たりの減価償却費は44万円も違うのです。
そして次のポイントが「償却率」です。
この「償却率」は建物の構造や、耐用年数によって変わります。
鉄筋コンクリート造(RC)の新築建物であれば耐用年数は47年、償却率は0.022となります。これが木造での新築建物であれば耐用年数は22年、償却率は0.046。仮に同じ取得価額5,000万円で新築、鉄筋コンクリート造(RC)の建物と木造の建物を比べてみると、

  • RC 取得価額5,000万円 × 償却率0.022=110万円
  • 木造 取得価額5,000万円 × 償却率0.046=230万円

同じ取得価額でも木造はなんと鉄筋コンクリート造の倍以上の減価償却費が計上できることになるのです。
しかし建物の構造による耐用年数は、融資を受ける際の融資期間にも影響するので、一般的に耐用年数が短いと融資期間も短くなり、その結果1年当たりの返済の金額も大きくなるので、このあたりはバランスが重要になってきます。



「投資の成否」を決めるポイントは、ズバリ、これだ!

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ここまで見てくると、不動産投資の税金の重要ポイントの一つが「減価償却費」であることが分かります。そしてこの「減価償却費」は、不動産を購入する段階、もっと言えば、不動産を選ぶ段階で既に決まっていると言っても過言ではないのです。
それは建物の評価が高くなる不動産であれば、減価償却費は多く計上できることになるからです。
土地と建物の金額は税法上の原則として、売買契約書に記載された金額が基となります。しかし売買契約書の中で土地と建物の金額が別で記載されておらず、土地と建物を合わせた総額の金額で記載されている場合もあります。その場合は、税法上、合理的と考えられる方法で土地と建物の金額を決めることになります。
その一つの方法が固定資産税評価額での按分です。固定資産税評価額というのは、市町村が毎年の固定資産税を算定するために使用する不動産の評価額です。例えば1億円の不動産を購入して、土地の固定資産税評価額が2,000万円、建物の固定資産税評価額が3,000万円の合計5,000万円の固定資産税評価額とすると、

  • 土地の購入価額 1億円×(2,000万円÷5,000万円)=4,000万円
  • 建物の購入金額 1億円×(3,000万円÷5,000万円)=6,000万円

となります。
したがって、建物の固定資産税評価額が高い物件を選べば、売買契約書に物件の金額が総額で記載されている場合は、建物の金額が高くなることになり、その結果毎年の減価償却費も多く計上できることになるのです。
このように不動産投資の節税は購入前に決まってしまう場合が多くあります。私の所有している不動産の経費率を見ても、経費率1位が借入金の利息で、2位が減価償却費です。そしてこの2つの経費だけですべての経費の65%を占めます。ですから不動産購入後の減価償却費を考えて、不動産を選定することがとても重要になる訳です。
税金は利益の数十%もお金が出て行ってしまう大きなコストです。だからこそ購入段階からしっかりと勉強して不動産投資の投資効率を上げていって欲しいと思います。



叶温氏のプロフィール

叶温氏のプロフィール

叶 温(かなえ・ゆたか)

叶温氏

不動産投資専門税理士・AFP・宅地建物取引主任者・マンション管理業務主任者
叶税理士事務所 代表  株式会社マネー・コントロール 代表取締役社長
1974年、兵庫県神戸市出身 甲南大学経営学部卒業。

大学卒業後、広告代理店の営業マンとして3年間勤務。その後、税理士を目指し会計事務所に転職。平成18年、会計事務所勤務時代に、年収400万円で1億円のマンションをフルローンで購入。平成19年、叶税理士事務所、開業。自ら不動産投資を実践し、不動産を購入する前からコンサルティングのできる希少な税理士となる。
開業からわずか1年半で相談者との面談回数は延べ100回を超え、テレビのコメンテーターも務める。セミナーや講演では“不動産投資で効率的にお金を残す”ために必要な税金のノウハウをわかりやすい形にして参加者に提供しており、上場企業が主催するセミナーの講師も務める。セミナー「不動産投資でお金を残す税金塾」は業界誌などのメディアに掲載され、現在も様々な媒体の執筆をしている。
自らのメルマガ「確実にお金を残す税理士大家の不動産投資術」では、読者7千人に不動産投資に有益な情報を送り続けている。セミナーを収録したDVDも好評販売中である。

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